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ハンガリーてくてく日誌2

ブダペストの大学で日本語を教えたり、ハンガリーの絵本を翻訳したりしています。指の間からどんどんこぼれ落ちていってしまうような毎日を、少しでも書き留められたらいいなぁ。


by pitypang2
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議会選挙

日本でもニュースになっていたらしいので、ご存知の方も多いのかもしれませんが、
ハンガリーでは去る4月8日、議会選挙が行われました。

私は基本的に政治に興味がない人間です。
でも今回は各党の選挙活動がすごいことになっていて
興味を持たざるを得ませんでした。
それは世間の皆様も同じだったのか、
今回の投票率はとても高かったみたいです。

選挙活動がすごいって言っても
小学校の運動会のようなレベルです。
紅組負けるな、白組たおせ、みたいな。
いや、汚いお互いのつぶし合いが行われない分、
運動会の方がよっぽどましな感じです。

今回の件で私は
選挙というのは民主主義の実現には合わないシステムなんじゃないかなぁと
つくづく思ってしまいました。
本来なら政治が勝ち負けに固執してはいけないのではないでしょうか?
勝った、負けたって、何???
そのせいで、
自分らの任期の間だけ国民の共感が得られればいいと言わんばかりの政策ばかりだったり、
そもそも政策の話なんかほとんどせずに
ほかの党を引きずりおろすような発言を繰り返すだけだったり…
かといって、選挙制でなければ、いったい何ならいいのか、皆目見当もつかないのですが。

今回は、思うことがいろいろありました。

まず、与党が難民受け入れ反対をあまりにも前面に出してきたこと。

町中にこんなポスターが貼ってありました。
a0130093_03423424.jpg

そりゃあ、難民がたくさん入ってきた時には、
いくらハンガリーがただの通過点だったとはいえ、
確かに大変でしたよ。
日本からかなり叩かれていた時には、
私はハンガリーの肩を持ちました。

でもね。それでもね。
大変な思いをして入ってくる人たちに対して
この態度はとても人道的とは言えないし、
それをまるで正義であるかのように
政治のキャンペーンに使うというのは、どうかしていませんか。
ネットでは「ナチスよりひどい」とする記事もあり
賛同する意見がたくさんありました。

もう一つは、これに関連して、与党の情報操作がすごかったこと。
今のハンガリーでは
テレビやラジオのチャンネルの多くは与党に押さえられてしまっていて
何か偏っているとしか考えられない情報が
たくさん入ってきます。
例えば、ある時、ちょっとネットで政府寄りのニュース番組を見てみたら、
こんな感じ。

「ドイツ在住のイスラム教徒、○○の生活を紹介します。
彼は奥さんが二人いて、二人目の奥さんは13歳。
一家全員、ドイツ語は全く話せないし、読み書きもできません。
ドイツの国から補助を受けて生活しています。
彼らはハンガリーを通ってドイツに入国しましたが、
ハンガリーが気に入ったので、引っ越そうかと考えているそうです。」

ほれほれ、
習慣が違うでしょ、
国のお金取られちゃうでしょ、
こんな人たちが入ってくるかもよ、と。
恐怖を煽り立ててきます。
毎日こんなのばかり聞いていたら、たしかに洗脳されるのかも。

あまりいい言い方ではないとわかっていますが
与党支持派ははっきり言えば
メディア・リテラシーが低い人が多いと思います。
少なくとも、私の周りでは
与党反対派は、数ヵ国語話せ、冷静に論理的に考えることができ、
外国滞在経験もあるような人が多いです。

与党派の人が
「ノーベル賞作家のハンガリー人ケルテース・イムレも
難民受け入れ反対のコメントを書いている」と言って
あるサイトを紹介してくれました。
でも、そのサイトも、
「スウェーデンの○○という新聞が
ケルテース・イムレが自分の著作において
難民受け入れに反対している部分を引用していると
××(ハンガリーの与党寄り新聞)が述べている」という文で始まる記事で、
なんというか、この時点であやしい。
引用の引用の引用。
村のおばあちゃんたちのおしゃべりレベル。
この記事を書いた人は、こんなんで本当に新聞記者としてお金もらっていいんだろうか?
自分の母語で書かれた本の話なんだから、自分で読んで書けばいいのに。
で、そんなのを「そうだ、そうだ」と鵜呑みにする人が
ものすごく多いのです。

で、これはまぁ
私自身のメディア・リテラシーの低さも露呈するものかもしれませんが、
話によれば、数カ月前に
「与党はとっくにEUに割り当てられた人数の難民をハンガリーに入れた」
というニュースがあったとのこと。
(今は自分でそのニュースを探す時間の余裕がないので、噂レベルですみません。)
当然、与党寄りのニュースには、そんなことは流れないわけです。
これが本当なら、なんだこの茶番。
私はハンガリーが難民を受け入れてくれてよかったと思うけど…
与党派のみなさん、与党にだまされていますよー 

与党圧勝は、
難民に対する恐怖をあおり、情報操作をやり通した与党と
うっかり操作されてしまった国民による結果と断言していいでしょう。
たぶん日本のニュースはそんな風に言ってないけど。

で、圧勝から二日目、
さっそく、政府に批判的な新聞が一つ、つぶされました。
日本で言うと朝日・読売なみの大きいやつ。
そんなにたくさんの種類の新聞があるわけじゃないんですよ。
せいぜい4つ5つぐらい。そのうちの1つです。

もうこの国は本当にどうなってしまうのか。








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by pitypang2 | 2018-04-11 06:20 | ハンガリーのこと | Comments(0)